がん患者の家計の場合②

前回は自営業者やフリーランスの人の支出を減らすヒントを

書きました。


今回は会社員、会社にお勤めの方に向けて書きます。

会社員の方ががんになったときにまず迷われるのは

「仕事を続けるかどうか(会社を退職する)」ではないかと思います。

これは以前も書きましたが安易に退職するということは

絶対避けるべきです。


がんといっても人それぞれ症状も違えば治療方法も異なります。

がんと宣告されてもう仕事は続けられないなと思うより

冷静になって医師や家族と相談して下さい。


他には「会社にがんになったことを言うべきかどうか」という

問題もあるかと思います。

これも私の意見としてはきちんと伝えるべきではないかと思っています。

入院はしなくてよくても通院治療の場合、休みを取ったりする必要があります。

その場合にもがんだということを伝えていれば少しでも休みやすい

環境を考えてくれるかもしれません。

しばらくは治療優先になるでしょうから少しぐらいの時間の融通は

仕方ないでしょう。

これもがんを克服すれば会社や周囲の人たちに恩返しするという気持ちを

持っていれば大丈夫です。


あとは自社の「健康保険の制度」を知っておかれるとよいです。

健康保険には「組合健保」と「協会けんぽ」があります。

大企業の場合はほとんど「組合健保」だと思います。


「組合健保」であっても「協会けんぽ」であっても

「傷病手当金」という制度があります。

これは簡単に言うと業務外の病気やケガで4日以上仕事を休むと

健康保険から「傷病手当金」が支給されるという制度です。


「高額療養費」ももちろん「組合健保」「協会けんぽ」共に

制度はありますが、

「組合健保」の方であれば「付加給付」という制度があるかも

しれません。

「付加給付」は原則の「高額療養費」の上限まで支払わなくてよい

制度といえます。

例えば高額療養費を使っても窓口負担が8万円となる場合でも

「付加給付」によって5万円が上限となるというものです。

この「付加給付」は組合健保の独自の制度なので組合健保に加入

している場合はこういう制度があるかどうか調べてみて下さい

(ない場合もあります)。


不安だから「がん保険」に加入する前に現在加入している健康保険の

制度を調べてみることをお勧めします。

「付加給付」がある健保組合に加入しているのであれば

「がん保険」は必ずしもいらないという結論になるかもしれません。

そのあたりから備えてみてはいかがでしょう。

社会保険労務士・FP 中村真里子事務所

兵庫県宝塚市在住の社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーのサイトです。