成年後見制度についての私の考え

これまで4回にわたり成年後見制度について簡単にご説明してきました。

法定後見についていえば、これは親が認知症になってどうしようもなくなった

ときに使える制度ではあります。


今回は私の経験を基に書きたいと思うのですが、

私の両親も認知症でお金の管理ができなくなりました。

キャッシュカードの暗証番号を忘れ2回銀行に一緒に行きました。

あるときは4万円を家に置いて帰ってきた翌日、お金がないと

電話がかかってきたこともありました。


親からカードを預けるから引き出してくれと言われそのつもりでいましたら、

翌日にはやっぱりカードを返してくれと言われたり、

言うことが二転三転することも多々ありました。


両親の家を出て30年以上経っていましたので、

両親の暮らし向きをあまりわかっておらずどうサポートすればよいかわからず

そのときに成年後見制度のことを考えたりしました。


結局、成年後見制度を使わなかった理由としては、

両親には貯金も資産もなく少ない年金だけでしたので、

私以外の後見人が選任されたら報酬を払うのが勿体ないと思ったことが大きいです。

成年後見制度を利用するとすべては後見人にお伺いを立てなければならず、

それも窮屈だなと思ったのも理由です。


本来であれば親が元気なうちに将来のことを親子で話し合っておくのが

ベストだと思います。

あと、私の場合兄弟姉妹がいませんので親と私の話し合いで済みましたが、

兄弟姉妹がいる方は全員で話し合いをしておくことが必要だと考えます。

誰が親の介護を中心になって担うのか、財産の管理は誰がするのかなど。

家族全員の連携が取れるようであればはっきり言って後見制度の利用は

必要ないのではないかと思います。


法定後見は特に後見人が選任されると解除するということはできません。

利用するのは最後の最後と考えておかれる方がよいと私は思います。

親のお金や財産が動かせない、困ったとなったときに「成年後見制度」が

あるということをチラッとでも思い出していただければよいのではないでしょうか。




社会保険労務士・FP 中村真里子事務所

兵庫県宝塚市在住の社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーのサイトです。